とある花畑に通りかかった一同。
チョコ「うわぁ〜、キレ〜v」
ホリィ「本当ね。」
アメ「…何だ?アノ花。…真っ青。」
アメモンは、ある一輪の花を見つけて言った。
グミ「確かに〜、何か珍し〜ね〜。…同じ茎から別々の色の花が出てるしさ〜。」
ゲンキ「本当だ。…赤い花と青い花…。」
…そう、アメモンが見つけた花は、同じ茎から赤と青の花が、それぞれ一つづつ生えていた。
ハム「その花は、“ツインズフラワー”と言って、ヒガンバナ科の植物で、水仙やアマリリスの仲間です。」(注:架空の花です)
チョコ達「へ〜。」
サンダー「……花言葉は“信頼・離れていても大丈夫”。」
サンダーはポツリと言った。…すると、一同は一斉に振り返った。
ニナ「…サンダー、この花のこと知ってたの?」
オルト「あぁ。この花はさ、ケルベロスの…あ、魔界にある、オレらの住んでた里に咲いてたんだよ。」
ホリィ「そう…。それでサンダーがその花の花言葉を知っていたのね。」
サンダー「うん。…まさかこの世界にもこの花があるなんてね。…あの花、魔界じゃレアモノだったんだ。…しかもケルベロスの里にしか咲いてなかったんだよ。」
サンダーは、驚いているとも嬉しそうともとれる顔で言った。
ニナ「そうなの?…こっちの世界では結構いっぱいあるけど…。」
チョコ「……って事は、何かの理由で、この世界から魔界まで、あの花の種が運ばれて行ったんだね、きっと。」
オルト「多分な。……ケド、きっとあの花も、もう焼き尽くされちまってんだろうな…。」
オルトは、重く、寂しそうに言った。
一同「…どう言う事?」
一同はオルトに聞いたが、オルトは答えなかった。
サンダー「…オルトロス…。」
サンダーは、悲しそうに呟いた。
オルト「……さ、行こうぜ、皆。」
オルトはそう言うと、再び歩き出した。…それを追って、一同も歩き出した。……しかし、サンダーは少しだけ歩くと、ふと立ち止まり、ツインズフラワーのほうに振り返った。

それからしばらく後…一同は、森の中を歩いていた。…すると、一同の前にワルモン四天王(ハーピー達)が現れた。
ハーピー「今日こそ、サンダーをこっちに渡してもらうわよ!」
グミ「っサンダー!ワルモンが来るなら来るって、何で言ってくんなかったのさ〜!」
グミモンはそう言って後ろを振り向いたが、そこにサンダーは居なかった。
一同「ってサンダー何処?!!」
ハーピー&ヴァンデモン「はぁ?!」
ブイモン「オイオイ…マジかよ…;」
グレイ「……あのバカ…。」
そこに居た一同は、皆してサンダーを探している。
グレイ「……ったく…他人(ヒト)様に迷惑かけやがって、あのバカ…。」
グレイはそう言うと、静かにその場を立ち去った。…そのしばらく後、オルトは何かを思いついたように、もと来た道を戻って行った。

そして、さっきの花畑…そこには、一生懸命地面を掘っているサンダーの姿があった。
 「オイ。…何してんだよ、こんなトコで。」
サンダーは(上から声をかけられたので)、地面を掘る手を止めて上を見上げた。…すると、そこにはグレイが機嫌の悪そうな顔をして、立っていた。
サンダー「…あ、グレイ…。」
グレイ「あ、グレイ…っじゃねェよ!…ったく、他人様に迷惑かけんなって、何回言えば分かるんだこのバカ!!」
グレイは、サンダーに向かって思いっきり怒鳴った。
サンダー「……でもね、グレイ。ツインズフラワー!」
サンダーは、グレイがちゃんと言い終わってから言った。
グレイ「あ?…んなもん、この世界にあるワケ……。」
グレイはそう言いながら、サンダーが掘ってるあたりの地面を見た。…すると、そこにはツインズフラワーがあった。
グレイ「…何でこの世界にツインズフラワーが…?」
グレイは、驚いて言った。
サンダー「…よく分かんないケド…でも、こっちの世界のが本場らしいよ?…いっぱい咲いてるらしいし。」
グレイ「へぇ……んで、オマエは何で地面(ソコ)を掘ってるんだ?」
サンダー「…コレ、植木鉢にでも入れてオルトロスにあげようかな…って思って。」
グレイ「……ソレを…オルトロスに?」
グレイがそう聞くと、サンダーは大きく頷いた。
グレイ「分かった、手伝ってやるよ。」
サンダー「本当に?…ありがとう。」
サンダーは、そう言って嬉しそうに笑った。
グレイ「…ケド、鉢植はねェだろ。重たくって荷物になっちまうよ。」
グレイは苦笑しながら言った。
サンダー「あ…そか。……でも、それ以外何がいいかなぁ…ドライフラワーじゃシワシワになっちゃうよね…。」
グレイ「…じゃあさ、サンダー。…琥珀とか作ってみねェか?」
サンダー「コハク?…って確か、樹液が長い年月をかけて固まったモノ…だよね?……んなの、出来んのに何万年もかかっちゃうじゃんか!」
グレイ「あのなぁ…よく考えてもみろよ。オマエは未来で、オマエは一つの物の時を早く流し去ること(時の早送りみたいな感じ)が出来るだろ?」
グレイは、そう言ってニッと笑い、小さくて丸っこい入れ物と、樹液の入ったビンを出した。
サンダー「あ、うん。…その手があったね♪」
サンダーがそう言うとグレイは、丸っこい入れ物の中に半分ぐらい樹液を入れて、ツインズフラワーの花を爪で切って入れ物に入れると、樹液を満タンに入れた。…そして、その入れ物をそっと地面の上に置いた。
グレイ「…さ、後はどうすりゃいいか分かんな?」
サンダー「うん。…『パス・サムウェーラー』!!」
サンダーがそう言うと、その入れ物は青紫色の光に包まれ、見る見るうちに古びていった。
グレイ「おぉ、上手い上手い。…ん、サンダー。そろそろ良いんじゃねェか?」
サンダー「…あ、うん。」
…すると、入れ物を包んでいた光が消え、古びるのも止まった。…光がちゃんと消えたのを確認すると、グレイは入れ物を開けて、中身を出してみた。
サンダー「…グレイ、ちゃんと出来てる?」
グレイ「…あぁ、いい出来だ。」
入れ物の中身は、ちゃんと琥珀になっていた。…グレイは、それをサンダー(の尻尾)に手渡した。

…そのすぐ後、オルトがサンダーを見つけて、走り寄って来た。
オルト「サンダー!!何してたんだよ!心配したんだからな!!」
オルトは、サンダーに向かって怒鳴った。
サンダー「あ…ごめん、オルトロス……でも、コレ…。」
サンダーは、そう言って琥珀をオルトに見せた。
オルト「え……ツインズフラワー…の、琥珀…?」
グレイ「…それさ、サンダーが作ったんだぜ?時を早送りして…さ。」
オルト「…え、サンダーが…?」
サンダー「うん。…オルトロス、何か元気なかったみたいだったから……だから、この花あげたら元気出るかな…って思って…。」
オルト「…オレの為に?…ありがと。…ゴメンな?理由も聞かずに怒鳴ったりして…。」
オルトはそう言いながら琥珀を受け取った。
グレイ「…なぁ、オルトロス。その花の花言葉知ってっか?
オルト「知ってる。“信頼・離れていても大丈夫”だろ?…長老達から何度も聞いたし、さっきサンダーが言ってた。」
グレイ「そか。……あのさ、さっき元気なかったって、サンダーが言ってたケド……クールの事、考えてたんだろ。」
オルト「…あぁ……それから、里の皆の事考えてた。…したらさ、何か暗くなっちゃってさ。」
オルトは、そう言って苦笑いをした。
サンダー「…だから、オルトロスに、この花あげたかったんだ。…今は離れちゃってても、きっとまた会える、大丈夫だよって事、伝えたくって。」
オルト「…そっか…ありがとな。」
オルトがそう言うと、サンダーは嬉しそうに笑った。
グレイ「…んじゃ、そろそろ戻るか。」
グレイは、そう言いながらしゃがんで、サンダーとオルトの頭の上にポンと手を置いた。
サンダー&オルト「うんっ。」
三人は、そう言うと森の中へ戻って行った。



ツインズフラワー  ヒガンバナ科 
学名:Lycoris gemini flos
同じ茎の同じところから生えた赤と青の花は、つぼみになる時も、
花が開く時も全くと言っていいほど同じなので、この名が付けられたと言う。
花言葉は、信頼・離れていても大丈夫







リクトさんのキリリクの双子とオルトの話です。
この背景はツインズフラワーです。
…先ほども一応書きましたが、ツインズフラワーは架空の花です。
一昨年あたりから考えていたのですが、なかなか出す事の出来ないものでした。
…まさか、こんな話になるとは…(一昨年はオルトが出る事すら考えてなかったので)

……ちなみに、最初に思いついた話はコレではありませんでした。
この間F-ZEROを見ていたら、花と花言葉が出てきて、
あ、花言葉とかいいなぁ……と思い、こっちの話に切り替えました。
…と言うか、最初に思いついたほうが、ノート9ページ分と言う、とても長い話になってしまい、
とても短編とはいえないものになってしまった為に切り替えた、と言うだけですが;


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